明治大学校友会 会長挨拶

校友会長 北野 大(きたの まさる)

向殿政男校友会長の後任として、会長職の大任を仰せつかった北野大です。向殿前会長には10年もの長い間、会長職をお勤めいただき、その間に校友会の財政の整備等をはじめ、校友会活動の活性化にリーダーシップを取っていただきました。ここに改めて長年のご尽力に感謝を申し上げます。

初めに簡単に向殿前会長との対比の中で、自己紹介をさせていただきます。共通点は二人とも昭和40年工学部卒であり、下町育ちのせいか二人とも早口であり、時折何を言っているのかわからないと苦言を呈されております。

最も大きな相違ですが向殿前会長は明中、明高、明大、明大院を経て明大の教員となり、人生の90%近くを明治の中で過ごしております。さらに言えば小学校は明治小学校、名前も大先輩の作曲家である古賀政男先生と同じであり、生まれながらの、本人曰く「明治一代男」です。

それに引き換え私は学部の4年間、理工学部教授の7年間のみが明治の中の生活でありました。しかし、母校明治を思う心は向殿前会長に勝るとも劣らないという自負はあります。ちなみにわが弟の北野武は明治大学の理工学部機械工学科、当方の息子は商学部商学科の卒業です。弟の8年、息子の4年間を併せても向殿先生の明治の中の生活の期間には到底及びません。

向殿先生の提唱された素晴らしいスローガンに「明治は一つ」があります。これは言うまでもなく、明治大学の役職者、教職員、現役の学生、校友会そして父母会が一体となって、目的を一つにして力を合わせて前に進むという意味であり、校友会活動の最大の目的がまさに「明治は一つ」の実践を通して母校の発展に寄与することです。

私自身は向殿前会長の敷いてくれたレールに沿って着々と前に進むことを当面の方針としています。校友会活動をさらに活性化するには若い会員と女子会員の参加をいかに増やすかがあります。

確かに私自身の経験でも若い時はなぜか校友会の敷居が高く、あまりまじめな会員ではありませんでした。平成18年に明治大学の教授に赴任したことを契機に活動にも積極的に参加することにしました。その理由は卒業して大学の外にいる校友がこんなに頑張っているのに、大学の中にいる校友である私が知らん顔はできない、そんな理由からです。もう一つはこれも向殿前会長の提唱しておられたクラスターの活性化です。校友会は地域を基盤とした組織ですが、これまで以上に多くのクラスターを作り会員相互の情報交換等の場として活用していただければと思っています。

われらが母校明治大学は幸いなことに隆盛を極め、受験生からも社会からも高い評価をいただいております。これはまさに「明治は一つ」の下、皆様の努力の賜物です。校友会活動の目的は母校の支援ですが、その中には当然耳に痛いことも大学執行部に伝えるという役目もあります。「良薬は口に苦し」です。そのためにはお互いに何でも言える信頼関係の構築が重要です。明大卒という共通の看板を背負った我々には共通の目標があり、信頼関係の構築は可能です。

今後も会員皆様のお力を借りながら、校友会活動を進めていく所存です。皆様方の更なるご協力をお願いし、新会長就任の挨拶とさせていただきます。

校友会長 北野きたの まさる